ロシアの大火球と小惑星フライバイ
日頃の悩みなど吹き飛ぶような宇宙の事件が昨日から重なりました。何かミジンコ的な心持を覚えた方も多かったのではないでしょうか。
しかしロシアの大火球は本当に突然のことで驚きました。現地は今も多くの建物の窓ガラスが破壊された状態で、今後しばらくマイナス10度続きということで、とても心配です。どんどん最新情報が更新されてますが、取り急ぎメモします。小惑星フライバイについては、うろ覚えと映像だけ簡単にメモ。
ちなみに上図のように、やって来た方向がバラバラなので、これら大火球と小惑星のタイミングが近かったのは、まったくの偶然だと考えられます。
1.ロシアの大火球
場所:ロシア・ウラル地方・チェリャビンスク州付近
日時:2013年2月15日09時20分(日本時間だと12時20分)
初期値:質量7千-1万t、直径15-17m、秒速18km
空から石が落ちてきて、太陽よりも明るく見えて、高度20-25kmで衝撃波の爆音を放った。威力は広島の20-30倍。この衝撃波による影響で、負傷者は前代未聞の千人規模。(過去には2003年インドのオリッサ村で隕石落下による死者も出たことがある。)
火球と呼ばれる、流れ星の大型のもの。検出限界に近い小惑星だと思う。流星の破片が燃え残って落ちて、6-8mのクレーターを残した、らしい。落ちた石が見つかれば、それが隕石と呼ばれる。小惑星→大火球→隕石。
・衝撃波の爆音と、その威力。
https://www.youtube.com/watch?v=inPclE7RwFY
・火の玉がこちらに落ちてくる。
https://www.youtube.com/watch?v=90Omh7_I8vI
2.小惑星フライバイ
最接近は日本時間で2013年2月16日04時25分ごろ、無事地球に衝突することなく通過。発見は約1年前で、2012DA14という仮符号がついた。小惑星のサイズは直径45mだから上記の火球の約3倍で、このサイズでは最も地球に近い高度2万7千キロまで近づいた。
質量は13万トンで、1908年6月30日にツングースカというロシアの山奥に落ちて爆発したものと同程度。ツングースカ爆発の規模としては、東京都23区が丸ごと吹っ飛ぶ程度の威力と見積もられていて、当時人への被害はなく、多くのトナカイがやられた、らしい。
結局、小惑星は何事もなく地球をスルーしましたが、ロシアの大火球と一緒になって印象的な事件で話題豊富なので、2012DA14という覚えにくい仮符号ではなく何か名前つけてはどうか、と個人的に気になっています。ちなみに、イトカワの仮符号は1998SF36だそうです。
・小惑星が遠ざかっていく。