弾丸アラスカ観測まとめ

2016年01月19日 03:02
アラスカのフェアバンクスに、12日成田発、19日成田着で新カメラシステムをインストールする作業を、学生3人と挑戦。そのメモを書きます。
 
・12日(火) 成田からフェアバンクス移動日
 
メンバーは片岡、福田、内田、早川。
 
成田空港、早川くんが直角に走って登場。午後3時の待ち合わせに30分遅刻!16時前にはチェックイン終了。焦ってゲートに行ったらバスが来てなくて意外に余裕があった。17時すぎに成田を離陸。機内では、内田くんが、ビールのあと頼んだワインが、ナミナミにつがれたとのことです。火星人のNASA映画見た。進撃の巨人の映画がえぐすぎる。シアトルに朝到着。スタバを買って、今後の行動の打ち合わせ。
 
クラムチャウダーランチ。早川・片岡は途中で六国史論文の話。オーロラでない記述も多そうなので、全部の読み下しをお願いする。京都で見られたオーロラが「如電」というのに、皆でつっかかる。気づけば搭乗の時間、ということでゲートに行ったら意外に余裕があった。ゲートで、写真家の牛山さんと何年振りかの再会。チャタニカでまた会うだろう。
 
フェアバンクス到着。マイナス17度。寒い。レンタカーが、ハンドルと座席が温まるやーつー。とにかく人と荷物は全部無事にキタ。ということで、フレッドメイヤーで水・食料、福田さん・内田くんは、レンジでチンする変な食料を購入している。私はピクルスとマヨをビンで買ってしまったので、なんとかしなければ。あとビールとカニを買って、簡単に夕食を済ませたのが19時。
 
各自仮眠をとって、夜12時集合で、オーロラ撮影のためにパイプラインへ。うっすらとquiet arcが広がっているが、肉眼では見えない。
 
オーロラが明るくなってきたのか?と写真を撮ってみるとオレンジの雲。朝2時まで粘ったが、雲が広がり星が見えなくなって撤収。内田くん、デジカメ撮影ほぼゼロからのスタートであることが判明。早川くん、つるつるの雪面をハイスピードでこける。気温マイナス17度。ヘッドランプなしの内田・早川2名は、徒歩でフレッドメイヤーに買いに行ってからの朝9時45分集合になった。朝3時前、寝る。
 
・13日(水) 観測初日
 
16時半にいったん休憩して私はログを書いている。
 
朝9時45分に全員集合して出発。IARCで赤祖父先生と朝10時から打ち合わせ、近況の報告。11時に。空が真っ赤になるのは、オーロラとは違うからね、という話とか、天皇陛下が、どうしてオーロラとわかるのか、世界で同時に、と答えた話など、いろいろ。
#赤祖父先生、手袋が必要ない!最近変で寒くならないとのこと。かなり寒いですが。
#赤祖父先生に「オーロラ!」を謹呈。
#残像は、みたことないとのこと。
 
GIでドンと打ち合わせ。内田くんの日本酒をお土産に渡す。カギをもらって今から予定しているセッティングの報告。今回の目的「高速撮像システム」の話を、ごく簡単に。12時に。アラスカの真夜中、UT9時に、テミスの最接近という重要情報をゲット。
#ちなみにドンはデータで気づいてたしハンナの論文も知っていた。
#あとで、ドンの修論が732nmファブリペローということも判明。
 
サブウェイでランチを買う。ポーカーに13時ごろに到着。ケイスとキャシーにお土産。SOCに上り、STEの箱2つと、極地研究の箱1つあり。まずは屋上でカバーを外す作業。
#持ち上げ失敗、ドームを傷つけてしまった。。
 
 
荷ほどきを開始。あっという間に日が暮れそう。明るいうちにやっておきたい作業ナンバーワン、CMOSの固定を済ます。福田さんと内田くんは、それぞれSTEとNIPRカメラのセッティングに集中。電源のちぎれたPI2を1Fへ。
 
*18時にチャタニカへ。
みんなバーガーを食べた。チャタニカの天井に1ドル札を打った。牛山さんにポーカーのオーロラ観測をひととおり紹介。「オーロラ!」を渡す。
 
*east dome有線のネットが使えないことが判明。
 
早川くん、食後の睡眠から復活してきた。何時だったか。
 
themisが来る8-9 UTには観測スタートしたいが、GPS基板が機能していない。仕方なくエコノミーモードで観測スタート。星空が見られず、磁気天頂の確認もピント合わせもできていない。
 
Eドライブが、どちらもHDD。
NIPR側はGドライブがSSD-RAID (950 GB)
STE側はDドライブがSSD-RAID (950 GB)
 
ロッジに使おうと思っていたシータが故障?動くシータのほうで内田君シータの制御PCの設定作業。途中で、切断されたピーアイ2電源ケーブルを修理。そこから数時間が経過。その作業の終わりにかけて30分間、福田と片岡がCMOS観測を見直し。SSDに400fpsで記録していた雲のデータを全削除など。STE魚眼を50fps、NIPR狭視野を100fpsで、エコノミー10秒。ピーアイ2を車に積んで、2時半にポーカーを脱出。
 
3時少し前、ロッジを過ぎた下り坂で道の脇に駐車してオーロラを見る。帰り道、対向車のピラー、柱の如し。~のごとし、の使い方が徐々に進化してきたか?
 
年上キラー疑惑などを話すうちに3時半にホテル着。気づけば雪が降っていた。あきらめられてすがすがしい。明日は12時に集合。各自、食事を済ませてくること。ポーカーに3時到着を目指して、ロッジでのセッティングになる。残っている直近の課題は・・
#ピーアイ2のロッジ設置
#ポーカーで不通のネット
#磁気天頂の確認とピント合わせ
#いうことをきかないGPS基板
#動かなくなったシータ
 
・14日(木) ロッジからの雲海、真夜中のテミス
 
昼12時集合、ロッジへ。熊谷さんと再会!日中はロッジで午後1時から3時半まで、マイナス15度の中作業。犬のシトカかわいい。
 
アールツーの設置に悪戦苦闘している学生たち。マイナス15度。真ん中の人は断線を直したハンダごてを持ってライトセーバーだと 
 
# シータのケーブルが設置中に寒さでちぎれた→内田はんだで修理
ネットが不安定→アンテナの置き方変更
シータの遠隔操作が不安定→治らず
 
雲海が晴れてきて、ポーカーが雲に浮かぶ島のよう。マチュピチュか!
 
時間切れ。この状態で、一日放置することに。ロッジのシータ明日には完成させたい。午後2時半すぎには、熊谷さんが家にいるそうで、新居に立ち寄りたい。明日は午後5時半に、ドンが観測所にピザを持ってきてくれるらしい。ポーカーに戻ってくると幻想的な夕焼け。雲海すれすれの景色。
 
 
ケビンがネットワークを直して、黄色い線にもDHCP使えるようにしてくれた。いまはLANハブの根元は、この黄色い線である。NICTネットから脱却。星が見えてきて、50mm視野ど真ん中に磁気天頂があることと、ピントを確認。
チャタニカで牛山さんにデジカメ講習を受ける早川くん。
 
ポーカーに戻り、福田さんがシータのテスト。偶然オーロラも映った。ケータイから操作することで、日時と座標がexifに自動入力されることを確認。
 
保存先をSSD-RAID(いる間だけ)に変更し、テミスを待ちかまえる観測モードに変更。極地研カメラは狭視野で100fps、STEカメラは全天サブアレイで400 fpsを目指す。極地研カメラには絶対時刻が入る状況になった。STEカメラには、絶対時刻が入るように作業中。(2016.01.15 0500 UT時点)
 
あとやるべきことは、壊れたシータを見捨てて、福田さん手持ちシータを改造し、自動判定を動かし始めること。本日4Kリアルタイムプラネに挑戦します。
 
ログの続きを書いている。2016/01/15 0600-0700 UT
 
福田と片岡で、昨日のデータをコピーして解析。解析中、極地研PCにつないでいた流星使い古しポータブルが、切れまくる問題発生。ので、これは使わずに捨てることにして、STEポータブルHDDに使えるデータのみコピー。解析の目的は、魚眼50fpsと狭視野100fps同時観測の感覚をつかむため。ピントの甘いデータなので、あくまで練習データ。1430-1530に脈動オーロラが出ていた。3Hzモジュレーションもあり。パッチが大きすぎるのか、狭い視野だけではよくわからない。
 
解析途中、内田くんから、STE側もGPS基板が動いたとの報告あり。いよいよか。
 
テミス待ちで、80fpsの同期観測でHDD記録。0900 UT前後、北東でオーロラの増光。外に出る。テミスど真ん中なのに、天頂にはオーロラ来なかった。太陽風のスピードは400km/s台に落ちてきた。
 
いったん夜食。からの打ち合わせ続き。どうやら、課題が、まだたくさんあることが判明。あしたの予定は
午後1時に集合してガソリンと食料
午後2時半に熊谷さん新居
ロッジに寄ってシータを変更、暗幕セット
午後5時半にドンとピザ
 
CMOS魚眼レンズ入れ替え
福田シータの改造
バイオで自動判定導入
40TBのマウント、USB3直接記録テスト
 
真夜中9UTに再びthemis
 
疲れすぎて、古典籍のディープラーニングだよ、と片岡いいはじめた。発想もパソコンからもらうのだ。内田くんの第3章は古典籍のディープラーニング!でどうか。早川くん「完全に精神分裂起こしてるじゃないですか!」徹夜で片岡と早川のテンションが変わってきた。
 
1220 UT「天頂如蛞蝓」
 
気絶しかけたころ、1313 UT、天頂より少し北のほうで激しい増光。朝の5時。1400 UT、脈動が激しく南に流れる。そろそろ帰りましょうね・・・
 
福田レポート
# 昨日(1/15)の観測についてですが、Eドライブ(931GB)が一杯になったせいで、
# NIPRは1/15 1115UTで、STEは1/15 1345UTで観測が止まっていました。
2回目のquiet arcの増光が1315UTで、NIPRはその前に停止、
# STELは脈動の南向き伝搬が撮れたか撮れないかというタイミングで停止しました。
昨日の設定(80Hz,512x512でひたすら撮る)だと、1ファイルが大体2.5GBなので、
# 6時間くらいしか観測できない
 
・15日(金) 観測本番!3日目の正直。
 
いまは午後9時少し前、天気は晴れ。星が全部は見えない。風つよし。午後1時半、ロビー集合して、ウォルマートで食料&土産調達。午後3時半、ロッジでシータの設定を変更して観測可能の状態に。午後4時すぎに、熊谷さん自宅訪問、午後5時ごろ出る。午後5時半、ポーカーに到着。ドンがピザを持ってきてくれる、という時間ぴったりに到着。しかし、ドンが来ないので、福田さんはデータコピー。片岡・内田で魚眼レンズを8mmF2.8に交換。しぼり解放、ピントは無限に設定。
*名古屋のHSRが90度回転にチェックあり、とても混乱
 
午後6時半に、ピザでなくキッシュを持ってドンが登場!一緒に夕食後、観測をひととおり紹介した。ドンが最新の面白映像を見せてくれる。全天、あと衛星同時観測に注目して分析中とのこと。
 
早川くん、デジカメの使い方が変なことが判明。
数時間の作業。
 
帰宅直前に、福田さんの結果を議論する。ドンが帰宅したのが夜中12時前?テミスイベントのころ?
空が全部オーロラになりました! 
 
「LETS2012が見えたためしがない」
 
朝5時ごろ?ロッジのシータが変なことを確認。朝6時ごろ?ホテルに到着。あとは内田&福田の課題出しメール参照。
 
・1月16日(土) 八重樫デイ。
 
「4日目、16日、土曜日、今晩で終わりにして17日は観光しよう!」という目標はかなわず。
 
13時半にタコス屋さんで八重樫さんファミリーと再会、15時ごろ、早川くんを図書館に送ってもらう。
 
FOXでガソリンを50ドル入れてFULLに。ロッジのシータまわりの機材を回収。ポーカーに到着が**時。
 
福田D7000を取り付ける。シータ故障のバックアップ用。80fps問題を検討。96fpsにすると90fps前後でばらつくことから、流星観測と比べて、GPS情報のやりとりの要素が増えて80fpsが今限界なのかと。SSD(NIPRのGドライブ)に書き込むと、速いわけではない。もっとも遅いのが、USB3のハードディスクへの直接書き込み。たとえば、20fpsしかでない。
 
シータの断線に気づいた内田くん、はんだ付けと、12.5度傾けた取り付け。
 
チャタニカに20時ごろ、それからロッジにシータを回収に。20時半。北向きターニング、テミスを待ちかまえる準備。赤いオーロラが南に降りてきた。
 
FBI=Fish-eye Burst Imagerはどうか。
最終日、17日は朝10時半に集合ということで。
 
*シアトル空港での解析、ふくだレポート。1/16 1140-1200 UT superfast waveと似たものが見えていたよう
 

・1月17日(日) 結局ポーカーへ。ロッジにも。

最終日、ロッジのピーアイ2修理とデータコピー。ポーカーへ。

ポーカーの配線と写真、データコピー。

今回開発したオーロラ高速撮像システムはGPSで同期した全天カメラと天頂カメラで構成されていて、視野内にオーロラあるなしの自動判定にシータSを使っています。ノースポールまで行くが、お土産が微妙。夜にドンとウルフランで食事。

フェアバンクスにあるウルフランというレストランで、皆でディナー。私はリブアイのステーキを頂きました。今回のオーロラ観測で一番のご馳走、ほっぺた落ちました

・18日(月)の朝1時50分にフェアバンクスを出て、19日(火)の夕方に成田に全員無事に帰国。