オーロラ観測カメラ機材インストールまとめ

2014年02月07日 06:57

アラスカ観測から無事に帰国しました!今回の観測メンバーは、片岡、三好、尾崎、宮原、糸屋と、大学院1年生の砂川、橋本。約10日間ぶっ続けで駆けずり回ったカメラ器材インストールのトラブルなどを記録しておきます。カメラ器材はNikon D4+8mmF2.8を2台(通称:ピーアイ2と黒グフ)、Nikon D800E+16mmF2.8を5台(通称:ハウル)、Hamamatsu CMOS+50mmF1.2を2台(通称:シーモス名古屋とシーモス極地研)、です。アトム設計の黒箱(真空断熱材のハウジング)も初めて観測に導入し、見事な性能を発揮してました。面白いデータや科学的発見などは追々公開していきます。

 

1月26日(日)移動日。シアトルでのアメリカ入国は問題なく全員が通過。フェアバンクス到着後、ソフィーステーションのレストランで夕食後、解散。

 

1月27日(月)1日目、朝9時半ロビー集合。IARCで赤祖父先生、斎藤さんに挨拶。GI所長はいなかったが土産は美人秘書に渡した。GIに届いていた黒箱は、ドンに頼んで夜にポーカーに届けてもらった。フレッドマイヤーで食糧の買い出し。ポーカーに到着すると、ジェイソンが登場。warm strageから大きな箱をeast domeに運んでもらう。全力で荷解き作業。ロフトには名古屋CMOS。糸屋さんはハウル組立に集中。ハウルのレッツノートが動作不安定になり起動しなくなったことが翌日までに判明。D4魚眼だけEast Domeにインストール。三好さんと尾崎さんが午後3時過ぎピーターに連れられて夜までwatershedでサーチコイルのインストール作業。チャタニカで午後8時少し前から夕食。ドレッジバーガー。午前2時ごろ下山。とにかく晴れ。東京と同じ格好でも大丈夫な異常気象。

 

 

1月28日(火)2日目、朝10時ロビー集合。熊谷さんに挨拶。30日と31日が立体実験してOKとのこと。午後、レッツノートWin7-USB3のリカバリーに成功。ピーターが午後4時にSOCに来て、尾崎さんと砂川くんがトラックでwatershedへ。バッテリ切れトラブル発生。糸屋さん77.5度の坂を作る、耳がおかしくなるほど爆音の大工作業。三好さん「だ、だ、だいじょうぶ?」帰国する尾崎さんと三好さんとのラストディナーでチャタニカに6時半ごろ向かうも定休日で真っ暗。ポーカーに戻って非常食。夜9時頃からロケット打ち上げの気配が高まり、片岡のスイッチ入って大急ぎでセットアップ。CMOSシステム一式(ヘッドとレンズが極地研)を持ち上げてインストール。作業の熱がこもりすぎて結露事件が発生。ロバートとドンにファンとヒーターを導入して助けてもらう。そんな慌てたインストールで配線はめちゃくちゃ。夜11時に糸屋さんがシングルヒットの胸騒ぎで戻ってきてハウルを持ち上げて、これも仮インストール&若干ピンボケの初オーロラ撮影。野球にたとえるならヒット、という感じのオーロラ。CMOSなど少しデータがとれたはず。橋本さんがオーロラ写真撮影に夢中。気づいたらLEDで星やSTELをペンライトで書き出した。あのライトは、そのために持ってきたものだったのか?そのときソファーで寝ていた砂川くんに、あいつは持ってない説。午前2時ごろ下山。少し寒くなってきたようだ。基本、晴れだった。

 

 

1月29日(水)3日目、朝12時ロビー集合。昼出発でフレッドマイヤーで食糧買い出し。ヘッドランプを人数分購入。ガソリン$50。午後3時のロケットBBQをスキップして日が暮れるまで全力で基本セットアップ作業。カメラ姿勢の固定。ハウルの持ち上げ固定。配線の整理。午後4時に砂川くん、橋本さんがピーターに連れられてwatershedバッテリ交換作業。バッテリ切れの問題解決を確認(したらしい)。オーロラが内野ゴロ。ピント合わせなど。朝3時にホテルに戻る。鼻毛が凍るのでマイナス20度を下回ったようだ。帰り道が霧。三好さんにLED不安に関してメール。

 

1月30日(木)4日目、また晴れ。朝10時半ロビー集合。マックのドライブスルーのいい声。砂川くんがミルクを頼んだらオレンジジュースが来たとか。右折信号で糸屋カーとはぐれる。片岡は糸屋カーを発見したと勘違い、現地人(おじいちゃんの赤いラブ4)をあおってしまう。11時半くらいにロッジで再会し、黒箱ほか荷物を下ろす。ここからロッジ班とポーカー班に分かれる。ピーアイ2を所定の位置に運び込むための雪かきで、かなり筋肉を使う。美しい空のグラデーション。明るいうちにピーアイ2のインストールが終わり、立体観測開始。暗くなってから黒箱CMOSアトムを作り始めて、夜には狭い視野の星が一致するテストに成功。ただしLEDは片目だけ点灯するという不思議な現象。夕食はチャタニカ現地集合でスペシャルチキンステーキライス。マイナス25度。地磁気活動は弱いが、オーロラはきれいだった。新月で、オーロラが消えた後の星空も本当に見事だった。体力の限界で不思議なバッテリ交換の話をして、かなりの混乱。ここで砂川くんの第1章が終わり、2日間の充電期間に入ることに。実際、睡眠時間が削られすぎて観測メンバー全員の消耗が激しかった。

 

1月31日(金)5日目、晴れ。午後1時ロビー集合。バッテリーの心配を一番にしていた砂川くんバッテリー切れで出動できず。マイナス20度。サブウェイの美人。ホームデポに行ったらカーバッテリは売ってない。バッテリの発音が悪すぎて、なかなか伝わらない。ウォルマートに移動し、一番大きいバッテリを立て替え購入117$。ポーカーに到着するとジェイソンがゆきかき車でドリフト爆走しているのを目撃。GPSの修正。GPS作業中、lets2014の立ち上げ中に電源に接触して落ちて初期化されるというトラブル発生。19時前にチャタニカでcodディナーを食べる。その足で片岡と宮原がロッジへ移動。21時から10HzのCMOS立体観測試運転を開始、23時すぎに50HzのCMOS立体観測に修正。曇が空に広がりオーロラは見えず。朝に切れるプログラムになっているとして放置。黒箱の温度は25度。黒箱のガンダム的な愛称とか熊谷さんと会話。朝の2時半にホテルに戻る。ハウルとLEDの相性が悪い問題というところまで絞れた。マイナス20度。

 

2月1日(土)6日目、曇り、マイナス15度。ガソリン$50。今日も微熱で出動停止しておく砂川君にアボカドのサブウェイ4つと、フロントでゲットした風邪薬を与えて出発。糸屋さんはウォルマートでUSB3まわりをシールドするものを探すも見つからず、片岡・宮原はロッジへ行って黒グフKG5とピーアイ2の調整を終えて、2台はポーカーで集合。大容量バッテリは初めからポーカーに2つあって、どうやら今回は買わなくてもよかったらしい。16時にGPS-LED問題を解決した糸屋さんがドヤ顔で階段を降りてきてアルマゲドンの1シーンのようだった。アルミでUSB3ケーブル周りとGPS受信コードをグルグル巻きにして基本的に解決した。あと終わっていない課題は、そういえば初期に気づいたドームの汚れ掃除くらい。16時20分、糸屋さんと橋本さんピーターに連れられてバッテリ交換作業へ。8時ごろにシルバーガルチでディナー。ビアカレーチキンがうまい。全員ロッジのほうに戻って立体観測の続き。3人がボブスレー的に次々と滑って転ぶ。朝2時半にホテル着。CMEが地球に届いておらず結局ロケットも打ちあがらず。(これでLEDが解決したかに見えた。この後GPSの棒を持ってウロウロする日が続くとは誰も予想していない。)

 

 

2月2日(日)7日目、11時集合。フレッドマイヤーで買い物して12時からロッジの黒グフKG5を撤収するつもりが、熊谷さんから提案で、もう一日観測してもよいとのこと。お言葉に甘えてもう一日CMOS立体観測に挑戦することに。ポーカーに到着。サーモンをゲットして満面の笑みの砂川。以降、サーモン砂川。アクリルドームの汚れとり作業でクラクラになる匂いを拡散。大量データコピー中に、10連スカイタワーの挙動がおかしいことに気づく。16時20分ピーター登場。明日か明後日のロケット後には午後1時にwatershedの撤収しに行きたい、と相談。キャシーかトニーかジェイソンに頼むことになるとのこと。ウインク後、宮原、橋本を連れてwatershedへ向かうピーター。ドーム汚れ取り中のUSB3接触事故でハウルPCが使えなくなり、まさかの再リカバリー(物理メモリ追加、桜時計、余計なアプリの削除はまだ。windowsアップデートは解除。)衝撃波の残骸みたいのが地球に到達したらしい。これでは磁気嵐にならないが、イレギュラーになるのでロケットは飛ばすかもしれない、と思った。宮原がWi-Fiをゲットしにポーカーとロッジを往復。念のためロッジに電話。ポーカーの電話で9番を押して、3ケタ、4ケタを押すと市内につながる。早朝の自動ボーナス運転で「いわゆる砂川データ」の取得に成功。それにしても橋本さん、言葉をニアミスしていて誤変換がすごい。チャタルカ、ウォーターガルチ、ポーカーロッジ。ピーターをポーカー。どうやら横文字が苦手らしい。

 

2月3日(月)、8日目、11時集合でウォルマート経由でロッジの黒グフの回収。午後はポーカーに移設。ケビンにGPS回路を改造してもらう。付け替えて運転していたらLEDが止まった。我々のLEDも点いたり消えたりの不安が続く。午後5時半、砂川・橋本がピーターとポーカーに戻ってきた。糸屋さん、木工で銀レッツの台を作る。バイソンのリブステーキを楽しみに行ってみたらパンプハウスが休み。ガソリン$50を入れ、ホテルで食事。宮原は空港へ。残りはポーカーでロケット発射を待つ。帰り道1時55分、大きな火球。2時を過ぎても本当にウォルマートやってた。とても寒い。

 

2月4日(火)、最終日、10時半集合。晴れ。ダウンタウンで土産。ポーカーに向かう。昼は各自非常食。ジェイソンが安全運転でウォーターシェッドへ片岡と砂川を運んでくれた。10分くらいでVLF撤収作業が完了。ムースを見るのも当たり前になった。イーストドームそうじ。持ち帰りデータのコピー。橋本さんと糸屋さんが段ボールでグリッド制作。砂川&橋本がVLF梱包。ドーム外からグリッドを映して補正映像。ロケットチームの小笠原くんに観測機紹介。ハッピーターンをあげた。ケビンがシグナルジェネレータでLEDを光らすことに成功。ケビンにMVPを持ってかれかける糸屋さん。ロッジに向かってHDぶら下げる。タートルクラブで58ドルの蟹を食う、いわゆるサーモン砂川。「反省はしてるけど後悔はしてません!」という名言を残す。夜のウォルマート土産探索待ちで片岡が気絶。鼻毛が凍る程度の寒さ。11時15分に空港に向かう。初めてのチェックインでテンパって、担当の糸屋PCをフェアバンクス空港に置き去りにしかける「いわゆるサーモン砂川」。シアトル経由で全員無事に成田に帰国したのが2月6日の夕方。