宇宙ステーションの緊急船外活動

2013年05月12日 01:18

文面を書いている今まさに二人の宇宙飛行士が宇宙遊泳中で3時間半が経過しました。日本時間5月11日21時44分から6時間半ということで始まった宇宙遊泳の生中継について短く記録しておきたいと思います。冷却システムの冷却材として使われているアンモニアが漏れていることがわかったので緊急対策として船外活動により古い冷却システムを入れ替えてフル復活させる、という経緯です。JAXAの説明によると「これにより、軌道上のクルーの健康状態・安全に影響はありません。なお、この給電系統が停止しても、直ちにISS/「きぼう」の運用・利用に影響はありません」とのこと。

http://iss.jaxa.jp/topics/2013/05/130510_iss.html

アンモニアが漏れていた記録映像はこちら。桜のはなびらのよう。

http://www.youtube.com/watch?v=DQREC9-zkY0&feature=youtu.be

まず地上サポートと宇宙飛行士のやりとりの一部始終を生中継で一般市民にこうしてネット公開してくれるNASAのおおらかさに驚きました(NASA TVでググるとわかります)。船外活動の中継が始まると真っ暗な宇宙。映像を見ていると、暗闇の中をライトで宇宙ステーションを照らしながら特殊なドライバーでモジュールを外したり写真を撮ったり作業しているのですが、そういえば宇宙ステーションは地球を90分ほどで一周するので、すぐに陽が射してきます。本当に秒速8kmという弾丸の数十倍のスピードで地球をぐるぐる回っているのだなあ、という基本的なことから実感できて、まるで自分が作業に参加してるような気分になるほどリアルに感じまして、どうも神経すり減る作業の連続で、見ていて本当に疲れました。ときおり船長が宇宙ステーションからツイッターを打ってくれるのですが、こんな大変なときでも船内で割と余裕あるんだということにも驚きました。ちなみに宇宙天気としては全般的に静穏で、大きな黒点が出て来ましたが東の端なので大丈夫という状況です。

そして気がつけば宇宙ステーションは再び夜中へ。だいたい地球1周のころになると事態がわかってきまして、地上と慎重に連絡をとりながらせっかく冷却システムを外して歯医者さんの使うようなミラーまで出して観察してみても結局アンモニアの漏れ出しも痕跡も視認できず、スペアの新品モジュールに入れ替えて船内に戻るという作業に移りました。外したモジュールは重量100kgですが無重力なので軽々と扱っているように見えました。宇宙服の中の酸素が薄いということで喋る声が辛いように聞こえます。手袋を何度もチェックするのですが破損があると命取りになるようです。

しかしよくこんな作業を緊急で出来るもんだと怖がって調べてみると実はこんなこともあろうかと宇宙に行く前にこうしてばっちり訓練していたようです。素人目にはかなり大変に見える冷却システムの入れ替え作業も無事終わりまして、あとはヒューストンの制御室からスイッチを入れて動かしてみて漏れがないか目視して船内に戻るだけ。トムとクリス(Chris CassidyとTom Marshburn)は今回で4度目の宇宙遊泳で、なんとトムは明後日には地上に戻るようです。そして明後日トムと一緒に地球に帰るChris Hadfield船長が無重力でおしぼりを絞る有名な映像がこちら。

http://edition.cnn.com/video/?/video/tech/2013/04/19/sot-hadfield-iss-washcloth-experiment.csa-nasa#/video/tech/2013/04/19/sot-hadfield-iss-washcloth-experiment.csa-nasa

最後にもうひとつ、クリス船長による宇宙で泣いてはいけない理由はこちら。トムとクリス船長はツイッターもやっていますので宇宙ファンの方にフォローをお勧めします!

http://www.youtube.com/watch?v=4BbuOn--ERI